前回からだいぶ間が開いてしまいましたが、
第三者配信を利用しアトリビューション系指標を
徐々に取り込むステップの第二回をお話致します。
参照:CPAからアトリビューション系指標へ移行するためにやらなければならない3つのステップ(前編)
本エントリーではバナー広告の評価ステップである
-
コンバージョンを二次元で眺めてみる
-
媒体を役割で評価する
-
予算をアトリビューションの観点から配分する
のうち、媒体を役割で評価する事を深堀りしていきます。
■役割は混ぜて評価してはいけない
前回は媒体を2次元で評価するという話をしました。

この方法は全ての媒体を絶対評価します。
全ての媒体を絶対評価する事は一般的には非常にポピュラーです。
ひとつの決まったCPA目標を掲げ全てのWEB広告手法を一律に評価するので、
投資側(広告主)はミッションを切りやすく運用側(代理店)はPDCAが回しやすいです。
ただ、ユーザがコンバージョンに至るまでには様々な状況があります。
恋愛で例えてみます。付き合いたい女性がいる男性が相手と付き合う為に投資する額は
下記のマトリクスで分かる通りこちらに関心を持っているかで大きく変わり、
お互いに関心があれば付き合うまでにそんなに投資(お金/時間)はかかりません。
一方男性だけ燃え上がっている状態だと、それなりにコストは掛かるでしょう。
(女性の方が有利になっているのは自然の摂理です)

fig.1 イイ感じになるまでに必要な投資コストイメージ
これがWEB広告だとどうでしょうか。

fig2.ユーザの関心に対する広告手法
・アフィリエイト/リスティング/リターゲティングは既に関心を持ってもらっている状況、
・ターゲティング/ノンターゲティングはまだ関心を持っていない状況です。
・ユーザが関心を持っているのにも関わらず広告主が関心が無いケースは基本的には存在しないと思いますし、あってもアフィリエイト/リスティング/リターゲティングでアプローチ可能でしょう。
これを見ると、関心を持っていないユーザを獲得するには高いコストを支払う事になります。
よってこれらの広告を1つの指標で見るのであれば、
ターゲティング/ノンターゲティングは常に選ばれない媒体になります。
実際今まではその傾向があったと思います。
しかし、関心を持ったユーザをだけでなく新規ユーザを増やしていきたいのであれば、
関心自体を作るターゲティング/ノンターゲティングをうまく活用するしか無いのです。
その為には、ユーザが関心を持っていない状況の媒体については
1.第三者配信により全ての影響を把握する
2.KPIを新しく持つ
A 今の指標の数値を変える 例) リスティングCPA目標\5,000、ノンターゲティング\10,000
B 新しい指標で持つ 例) トータルCPA \2,500,新規獲得CPA\15,000、アトリビューションCPA\3,000
というやり方がターゲ/ノンターゲ広告をうまく利用していくやり方だと感じます。
※新しい指標を握るのは結構重いです。短期的にはA、長期的にはBを志向すべきかなと思います。
■上流でユーザに触れると影響はクリックだけに留まらない
ターゲティング/ノンターゲティングは媒体の枠やクリエイティブによって
ユーザを検索に至らせるパワーが特に大きく変わります。
下記はリアルデータですが、CPCで見ると高いと思われていた純広告も
クリックと検索流入を合わせた総アクセスでコストを割ったトータルCPCで見ると
純広告の誘導力は悪くない事が見て取れます。

Fig3.検索アクセスとクリックを合わせたトータルCPCとCPCの比較 VTS:ビュースルーサーチ
もちろん検索アクセスを多く発生させる媒体はそれだけ見えていなかったコンバージョン(ビュースルーコンバージョン)も
多く発生しますし、関心が無い状態から有る状態に持っていった事だけでも大きく評価すべきです。
今後はバナー広告から派生する効果をきちんと追っていく事が重要になってくるでしょう。
■でも、まだ媒体間の連動性は評価出来ていない
上記はまだ
・役割毎に媒体を評価し
・上流から下流に流れるアクセス(ビュースルーサーチ)を可視化した
だけに過ぎませんが、今までこういった事をやってきていなかった場合は
ここまで実施すれば効果が出る事はほぼ間違い有りません。
これだけであればアトリビューション的な概念は入っていないので(*1)
特に今までのやり方を変えずに媒体をビュースルー評価する事から初めて頂くのが良いと思います。
※1 現在媒体から発生した検索はリスティング経由であった時のみSEMコストを加加味しトータルCPAを算出しています。
ここまでやり切ったケースにおいては、アトリビューション分析の中でもより現実的なアプローチである
・媒体のコンビネーションにより効果が上がるパターン
という発見を見つける事にチャレンジしていくべきだと思います。
主に検証する軸としてはリターゲティング広告にパスを出した媒体でしょうか。
これが分かるとPULL型広告だけの広告出稿から次のステップに上がれそうな気がしますね。
図にすると下記の図にある「他の広告手法に影響を及ぼす」部分の可視化です。

Fig.4 媒体が連動するイメージ
それでは次回をお楽しみに!