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古典的アトリビューションやクロスチャネルに関するレポート

田中です。

さて本日は、米国で様々なカンファレンスで今現在でもよく引用されている、第三者配信アドサーバーの老舗、ATLASのレポートを紹介したいと思います。

下記slideshareからダウンロードできますので、見てください。

こちらの文書のプレゼン番は本体サイトにあります。(PDFが開きます)

なぜ古典的、というかというと、このレポートが出たのは2008年なんですね。まだアトリビューションに関して、あまり研究がなされていない時代のものでした。今でも、あまり米国のアトリビューション系ソフトウェアの人たちは数字を出してくれないので、よく引用されています。
私が記憶している限りでは、インターネット広告の、「ラストクリック評価」の課題と、ディスプレイ広告とサーチについて、しっかり言及したのはこのレポートが先駆的であったと思っています。
さてこのアトラスですが、ご覧いただくとわかる通り、マイクロソフトに買収されています。
無論最後は、アトラスの「engagement mapping」使ってね、というものなのですが、今でも示唆にとんでいます。
まずはサーチとディスプレイの関係について。プレゼンテーションの4ページ目を御覧ください。
検索だけのユーザーと、ディスプレイを見て、検索したユーザーのCVRリフト率のデータです。これによれば、検索だけのユーザーとは、22%のCVRの違いがある、と言っています。
弊社の計測実績ではさらに、ブランドワードだけのCVRがどの程度違うのかを出してみました。ブランドワードとは、広告主の商品名やサービス名そのもののキーワードです。
この結果からは、検索クリックのみはCVR6%だったのに対し、事前にディスプレイ広告を閲覧していた場合は、同一のキーワードであっても、2倍CVRが高いことがわかります。
また、この広告主の場合には、ブランドワードを想起させること、つまりディスプレイ広告の影響が高いために、CVRにも大きな影響を与えることがわかります。
もちろんこれは1クライアントのデータですので、全てに当てはまるとは言えませんが、ディスプレイ広告のブランドリフトのパワーが大きい(ギャップが大きい)広告主の場合には、消費行動にとって広告の影響が大きいことがわかりますから、コンバージョンファネルの前に(ラストクリックの前に)、ブランドワードを想起させるようなディスプレイ広告を効率よく配置できれば、まだまだ工夫のしがいがあることがわかります。
さてアトラスのレポートに戻りましょう。
6ページ目は、媒体間重複の話題です。彼らは、1/3のユーザーが複数サイトで重複しているため、媒体ごとのコンバージョン数を単純比較してはいけない、と述べています。つまり、ラストクリック評価だけでは、複数の媒体の事前のインプレッションやクリックは評価されないので、課題がある、と言っています。
ところが、日本の場合、我々の計測している限り、これは現実とはあまり思えません。特に純広告の場合ですと、ユーザー重複が2割を超えることはまずありません。IT系ニュースサイト2つを比べても、かぶりません。アドネットワークの場合には、3割超えることもありますが、これは特定カテゴリに集中して(女性カテゴリのアドネットワークAと女性カテゴリのアドネットアークBなど)いる場合になります。
したがって、純広告やアドネットワークのブロードリーチにおいては、日本で重複率を目くじらたてて気にするまでもなく、ラストクリック評価でも、スピード面から考えても問題ないような気がします。
一方で、アドネットワークのカテゴリ配信や、オーディエンスターゲティングのようなユーザーを絞る形態のものであったり、配信面が同じになりやすい場合には、重複する可能性が上がるので、重複率を気にした方が良いですし、ラストクリック評価では評価を誤る可能性があります。
では8ページに行きましょう。これも興味深いデータで、リスティング広告のクリックは、どのようなサーチワードを検索するユーザーに由来しているか、というデータです。PDFだとなぜか文字が潰れていますが、A列は「non-branded」B列は「branded」です。つまり、A列はノンブランドサーチ(ナイキのシューズであれば、「ナイキ」ではなく単なる「シューズ」と入れてくるユーザーのことを指します。non-brandedワードを入れてくるユーザーは、ブランドを探しているわけではないので、全てのシューズメーカーにチャンスがある状況だと言えるでしょう。アトラスによれば、71%は「Navigated」つまり、単にアクセスするためにリスティング広告をクリックしている、と述べています。
感覚値としてはなるほど、というところもあり、私も普段、アマゾンにアクセスするために、「アマゾン」と打ってリスティング広告をクリックしてます。(アマゾンさんすいませんすいません)ブランドワードですので、CPCが安いとは思いますが、それでも既に既存顧客になっているわけで、広告主にとっては、あまり好ましいものではありません。
ここらへんは弊社はまだ計測しておりません。ただ、ディスプレイ広告とブランドワード検索を連動させることは、前述したとおり、CVRを大幅に高めることもあり、CPCが安ければ許容できる範囲なのでは、と思います。通常、ディスプレイ広告を閲覧して発生するサーチワードのうち、リスティング広告をクリックするのは2割だという結果が出ています。つまり8割はSEO部分をクリックするので、アトラスが言うように、ナビゲーションになっているからダメ、ということではないのではないでしょうか。
このレポートでは、このあとアトラスがやっているアトリビューションマネジメントについての紹介が載っています。
以上で紹介を終わります。

Author : yuzuru