Fringe81社長日記Fringe81 CEO's Blog

権限委譲がうまくいかない4つの理由。うまくいかせるための方法はなんだろう

今日は経営ポエムです。週イチ更新第二弾です。権限委譲がうまくいかない理由と、どうやったらうまくいくか、を今日は考えてみようと思います。

会社で「権限委譲をする」と聞くとどんな気持ちになるでしょうか。「なんか大変でうざーい。やることまた増えるー、仕事に集中させて!」と感じてないでしょうか。その気持ちはすごくわかります。僕もその昔、会社員だったころはそういう態度だったです(かつての上司の皆様スミマセン)

それでは会社は、なぜ権限委譲をするのでしょうか。これはひとえに、権限委譲という機会を通じて、自分で意思決定をする経験(普通の業務ではできない経験)をしてもらうことで、「普通ではできない成長をしてほしい」からです。結果、大いに人が変わり、育つのを私は見てきました。この絶大なリターンがあるため、会社として、権限委譲をしない理由は無いと思います。

特に、ベンチャーで、成長が進み、単一事業ではなく多角化や巨大化するステージにおいては、権限委譲というのは必須の事だと思います。よく「ベンチャーは権限委譲しないと社長の器以上に成長しない」と言われますが全くそのとおりかと。

ところが、ですね、うまくいきません。権限委譲。

私がイチ社員、ペーペーだったころに、権限委譲を「うざいなぁ」と思っていた心境と、会社の側の「権限委譲はやるべきだ」(いいことでしょ!)という感覚って大きくずれていると思いませんか。なんでこうなってしまうのかなぁと思います。不幸ですよね。

なぜ権限委譲がうまくいかないのか。

要因1:『権限委譲は「機会を提供すること」が本当の目的なのに、「手が足りないから困ったので権限渡す」ことを権限委譲だと思ってる病』

これは「権限委譲という名を借りたアウトソース」ですね。単なるアウトソースを権限委譲などと言っても、それはうまくいきません。権限委譲をされた時に、「うざいなぁ大変だ」と思ってしまうのは、権限委譲を単なる「上役の面倒な事項のアウトソース先が自分」と考えている場合が多いですね。

要因2:『意図を説明してないので権限委譲される側との握りが甘い病』

権限委譲という機会を、当該社員に「成長できてこれはおいしいチャンス」ということを動機づけしてない場合、上記のアウトソースと捉えられたりするのは当然です。これは上司が未熟な場合起こりがちだと思います。人間「これは他の人にはできない経験でおいしいのだ」という損得勘定で動くものではないでしょうか。機会提供するよ、だからやれ、という上から目線ではとても動かないなぁと。おいしさを説明すべきです。説明できない、動機づけできない権限なら委譲しないほうが良いかと。

要因3:『責任と権限を放棄して上長に権限を「返上」しちゃう、「●●さんに言われたのでこうしました病」』

要因2までは、権限委譲する前段階の話が中心でしたが、委譲した後にこれは起こりがちです。特に、難しい意思決定の場合に起こりがち。難しい意思決定の練習や経験をして欲しいからこそ権限委譲しているのであって、権限を返上してしまうのはもったいないなぁと思います。「●●さんに言われたのでこうしました」がこのケースで1番の口癖ですね。逆にこれは権限委譲する側も注意しなければならない。権限をお返しされたらホイホイ機会を部下から奪って意思決定する役員やマネージャもイケてません。相談は良いのですよ。意思決定は自分でしないと。

要因4:『難しい意思決定に合議制でグダグダ時間をかけてしまい、何も決まらなくなる病』

意思決定というのは怖いものなのはよくわかります。だって、難しい意思決定の場合当然デメリットもありますからね。でも合議制によって議論を尽くすのは別に良いのですが、その結果スピードが劇的に落ちてしまうのはいけませんし、要因3の病を併発し、例えば役員会に対し「定義や目安がしっかりしないから決められません」などと差し戻しされる事もあります。そういったケースだと「定義から考えて良いという権限を渡しているのに、なぜ放棄しちゃうんだろうなあ」と思います。

では、権限委譲という「機会」の提供を、どうやればうまくいくのでしょうか。

ちょっと脱線しますが、「機会」に関して大好きな言葉があります。リクルート創業者の江副さんの社訓「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」はご存じでしょうか。この言葉は素晴らしい大好きな言葉です。この言葉がリクルートの素晴らしい文化を産み出したと思います。権限委譲もまた、自ら変わる機会になるといいな。

では、権限委譲をうまくいかせるにはどうしたら良いでしょうか。

3つの方法があると思います。どうでしょうか。

■1つ目は、『信じる心を持つこと』です。

バカかwと思われるかもしれませんが重要だと思います。結局、権限委譲した側が信じきれてないケースが多いんですよ。だから意思決定を尊重できない。私は信じたいです。信じてるからこそ、きっと成長してくれるに違いないと思うからこそ、権限は渡したいです。

■ふたつ目は、『目標設定や評価項目に、「全社課題の解決」や「人事への貢献」などといった、数字以外の評価項目を入れること』です。

数字(または計測可能な目標)を目標に入れるのは当然です。ですが、数字だけの評価だと、特に人事系のプロジェクトや全社課題の解決などの権限委譲の場合、数字で評価しづらい項目は、権限委譲しにくくなりますよね。私は評価項目にこれらの指標を入れるべきだと思います。評価されないことをやりたい人はいないです。

■3つ目は、『「前例を創るのは素晴らしい」という文化を創ること』です。これが最も言いたいことです。

決めていいよ、権限委譲されるっていうのは、一定の範囲内であれば、「自己表現する(会社の意思を決定する)自由を得ること」であり、前例を創ることができるということです。これが、権限委譲の最も素晴らしいことではないでしょうか。

だれもがやったことがない事、素晴らしい事を成し遂げるには、自ら「前例」になるしかないのです。そういうマインドセットで権限委譲を受け取って欲しいです。単なるアウトソースなんて考えてません。そこは誤解しないで欲しいなと思います。

私が好きな映画に「ドリーム」という映画があります。NASAの初期の宇宙開発に協力する黒人女性の話です。当時の凄まじい黒人差別のなか、困難だからこそ、乗り越えていく素晴らしい映画です。その中でも、私が好きなシーンがあります。

それは、NASAで初めて女性エンジニアになった主人公の1人が、エンジニアになるための条件である「白人の高校への進学」を実現させるために、裁判所に訴え出るのです。著作権もありますので、字幕のコピペはやめておきますが、ざっくりと要旨を書くと、

  • ・白人の高校に行った黒人女性はいない
  • ・なぜなら前例が無いから。
  • ・宇宙に行ったアメリカ人はいなかった。
  • ・宇宙に行った初のアメリカ人は困難を乗り越え、前例になった
  • ・肌の色は変えられない。とすると、前例になるしかない
  • ・判事も、偉大な前例になるべきでは?

猛烈に感動しまして。偉大な前例もっと創りたいなぁ、そのためにもっと権限委譲したいなぁと思いました。私は権限委譲が大好きです。なぜなら、権限委譲とは、単なるアウトソースではなく、「前例」となる機会の提供、だから好きなのです。

慣例にしたがって、本業のみの仕事をするのは二流のビジネスマンがやること。

Fringe81は誰もやったこと無いことにチャレンジする機会も権限も与えるから、だからこそ、偉大な「前例」を創り上げることができる会社になれる、と信じています。そういう文化が内蔵された会社がいいです。大げさでしょうか?私はそうは思わないのです。ぜひ権限委譲を受け取って、機会を得て、なんなら自ら機会を作り出して、前例となっていって欲しいのです。それが素晴らしく評価される会社でもありたいです。

では、Fringe81ではどんな権限委譲をしているのか?主要なものをピックアップしました。なかなか過激なのです。

  • 1.成果給は役員会から人事部長へ権限委譲。現場を知っているマネージャが成果給を決めればいい。
  • 2.子会社への親会社からの役員派遣は行わない。重要な意思決定に親会社のおうかがいをたててスピード落として欲しく無い。
  • 3.ユニポス給により、リアルタイム給与は社員へ権限委譲
  • 4.勤怠工数管理は社員同士でやる。毎月チームシャッフル&ゲーミフィケーションでやる。
  • 5.新卒採用は社長や取締役は意思決定しない。現場が意思決定する。将来自分のチームで働く超優秀なメンバーは自分で決める。
  • 6.新規事業の立案は、誰でも手をあげたらできる。かつCOOCTOが半年に渡ってフィードバックする。
  • 7.福利厚生はマネージャが予算から自由に考えて、会社のパフォーマンスが上がりそうなものを実行する

まだまだ足りてないと思います。が、少なくとも経営者の慣例とされる多くのものを、権限委譲してきたと思います。私自らも前例を創る経営者でありたいです。

そういう会社です。特に1,3,7なんかはかなり特殊かと思います。

経営者は単に考えなしにアウトソースしてるわけではないのだ、ということを感じて欲しいし、少しでも幸せな、権限委譲が産まれることを祈ってます。

では、そういったヤバイ権限委譲がたくさんなされる環境で、「偉大な前例」をたくさん創りたい方、待ってます。「自ら偉大な前例になれ、その自由はここにある」そういう会社です。

Fringe81では、現在全業種積極採用中です。ぜひご応募ください

Author : yuzuru