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日本のネット広告は安いのか高いのか

田中です。

日本のネット広告は米国に比べ、CPMで1/3程度と言われています。ようは安い、と。

米国はホントに高いのか、と思っていたのですが、大体の媒体費の値段はこのサイトで見ることができます。→BuyAds.com

これを見ると、みんな大好きTechCrunchの値段は、CPM=1000インプレッションあたりの単価は15ドル~となっています。CPMはちょっとわかりにくいので、表を作ってみました。

これを見ると、CPM15ドルだと、1000万インプレッション買うには1230万円かかる、ということですね。TechCrunchやるぅ。結構お高いですねー。この表では1ドル82円で計算していますが、2年くらい前は1ドル100円超えていたので、もう2割くらい高かったということも言えます。

BuyAds.comを見ていると、TechCrunch以外はけっこう知らないメディアが多いのですが、それでもCPM5ドルなどはざら。。。月間100万impsいかないサイトでもそれくらいの値段なんです。確かに日本のネット広告より高めに見える。

いったい米国の平均CPMはどのくらいなのか、というのはComScoreから発表されています。これによれば、米国の平均CPMは2.48ドル。表の一番上の行の数字はその値です。

imp単価でいうと0.2円。平均2.48ドルが高いか安いか、というと、どうなんでしょうか。私は「平均は日本に比べると高い」と思います。日本ですと、1000万impsで100万円、という値付けはたくさんあります。ましてやクリック単価で購入できる枠もあるので、ぐっと平均CPMは下がるのではないか?と考えられます。

ただしこれで高いか安いか、という議論はあんまり意味無いのです。統計や経営学を少しでもかじったことがある人ならよくご存知だと思いますが、一般的な算術平均(合計数値÷値の数)で比較すると、本当の中央値からは、ずれます

値が均等にばらついている場合は良いのですが、極端に高かったり低かったりするものが含まれている場合には、その値に多大な影響を受けます。プレミアム枠を持つ媒体と、掲示板やブログを多く集めたようなアドネットワークとは、単価がそもそも何十倍も違うわけです。

例えば小学校のクラス10名で、テストの平均が50点だとしましょう。全員が50点だと、もちろん平均は50点。ただし、100点が5人で0点が5人でも平均50点なわけです。つまり算術平均だとばらつきは見られない。プレミアム枠とアドネットワークのばらつきを見るには標準偏差、つまりヒストグラムを書くなりなんなりしないと、本当の姿は見えてこないわけです。

ヒストグラムは、こういうのです。

さらに言うと、ボリュームも違うわけです。imp単価と、媒体数のヒストグラムを書いても、媒体それぞれのボリュームが違う。例えばimp単価2円の媒体で月間1億impsあります、というのと単価0.2円で10億impsですわ、というのはimp単価と、媒体数のヒストグラムを書いても見えてきません。

なので平均CPMが高いか安いか、というのは結構謎めいており、これで一喜一憂しちゃいけません。安いから日本のネット広告市場はダメなんだー、みたいな

広告枠には、プレミアム枠、通常枠、アドネットワーク、とありますが、大事なのはその量と単価です。量×単価で市場規模です。どの部分を伸ばすか、で平均CPMは大きく変わっていくでしょう。

米国では、

プレミアム枠はTechCrunchの値段やBuyAds.comを見る限りかなり高い。これは第三者配信が進んでいるので間接効果まで見ると実はディスプレイ広告効率いいよね、という暗黙の了解があるのではないかと推察される。もちろんブランディング効果も。

アドネットワーク枠は、オーディエンスターゲティングやDSP、アドエクスチェンジが進んでいるので相当CPMは改善してきている。固定単価よりはビッティングの方が単価が上がりやすいのは明白ですね。

米国のアドネットワークはとにかく量がハンパなくでかく、かつ単価改善しつつあるので、全体CPMの押し上げに相当貢献しているんだろうなぁと思われます。量がでかいところの単価改善することのインパクトは、上で言ってきたのでおわかりいただけると思います。

また、価格付け、プライシングというのはそれこそ一冊の本になるくらい深いものです。競争戦略が密接にからんでくるのです。王者のプライシングは他社よりもちょっと安くすることです。私が何をいいたいのかは、カンがするどい方はわかっていただけるのではないかと思うのです。

日本のインターネット広告の単価を大幅にあげていくには、フォロワーの戦略が重要です。フォロワーの戦略はコトラー本が古典ではありますが、私の読んだ本の中のベスト本は、「逆転の競争戦略」が一番良いです。今は中古でしか手に入らないみたいですけど、手に入ったらぜひ読んでみてください。本にも書いてありますが、フォロワーが同一価値の商品を、自ら安くすると、、まぁいいことはありませんね。

 

逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変えるフレームワーク
山田 英夫
4820118471

なんだか難しくなってしまいましたが、平均のマジック、競争戦略とプライシング、など私の大好き分野に無理やり突入させていったのですいません。

Author : yuzuru