Fringe81社長日記Fringe81 CEO's Blog

facebookの広告戦略について想像してみた

田中です。

連休中ですがブログ更新します。

comScoreから、5月4日、「Facebookは米国のディスプレイ広告の約3分の1を占める」というレポートが出ています。かなり刺激的な題名です。リリース本体はこちら。この1年でどのくらい伸びたのか、という表を作ってみました。単位は100万インプレッションです。

この表によれば、1年でFacebookが1700億アドインプレッション(3ヶ月で)伸ばして他を圧倒しています。逆にヤフー、マイクロソフト、Foxがシェアを落としています。もう少し視覚的に見たグラフはこれです。積み上げグラフにしてみました。Facebookの伸びが半端ないので、米国全体のインプレッションは上がっています。

ですが、これだけ見て、「Facebookやべぇよやべぇよ」ってなっちゃあいけません。なぜか江戸っ子風になりましたが。

これはあくまで「インプレッション」です。リーチ(ユニークユーザー数)ではありません。また、この発表データは、「広告インプレッション上位『媒体社』」です。したがってアドネットワークは入っていないことに注意です。また、いわゆるプレミアム媒体であるTurner、Glamは逆に増えてます。(Foxは謎ですが。。。)Yahoo!やMicrosoftのようなポータルサイトが減らしているんですね。

じゃあ、リーチはどうなの?というと、さすがはComScore、「Ad focus」というデータがあります。1年前のデータが無かったので2011年3月と、2010年5月のFacebookのリーチを比較してみました。単位は1,000です。

米国内でのユニークユーザーは1年ちょっとで約2,200万UU増加。リーチも11%あがっています。じゃあ他のアドネットワークはどうなのか?というと、ヤフーネットワークもAOLネットワークも、1.8億UUくらいになっています。リーチは84%。1年前からはそれほど増減ありません。ちょっと減ってるかなくらいです。したがって、まだUUではFacebookよりアドネットワークの方があるんですね。

あれれ、気づきました?インプレッションのシェアはヤフーの3倍あるのにリーチはFacebookの方が少ないです。また、Facebookの広告ARPUは元々mixiよりずっと低いと言われています。六分の1程度です。詳細はこちらの斉藤さんのいけてる分析をごらんください。

私の以前の記事、「日本のネット広告は高いのか安いのか」にも書きましたが、米国の方が普通はeCPMは高いのです。ということは、、、ですよ。まぁmixiの広告ARPUはモバイルがかなり入っていることを考えても、です。Facebook広告は今のところ激安CPCで購入可能ですから、、、

  • フリークエンシー数はFacebookの方が圧倒的に高い
  • eCPMベースで見ると圧倒的にFacebookは安い

ということがわかります。普通に考えると、なんでそんなFacebookの広告単価が安いの、もっと儲けるために単価上げればいいじゃん、と思われるかもしれません。

これ、競争戦略論大好きなワタクシ田中から見ると、強烈な価格戦略採用しているんじゃないかなーと想像します。

一般的な競争戦略のセオリーとして、リーダーはフォロワーをすばやく真似る、というのがあります。「リーダー自ら価格破壊する」というのはリーダーが優位かつ少し価値の違うもの(この場合ソーシャル広告)に立っている場合非常に強いのです。フォロワーが同一価値のものを売っている場合、価格を下げられたら体力ある人の方が勝ちます。

フォロワーがここで自ら価格を下げだすと、死にます。

じゃあフォロワーは何すればいいの?というと、別の高付加価値のものを開発していくか、長いものにはまかれろ作戦で、リーダーと蜜月関係になるか、またはリーダーが手を出せなかったり、自縄自縛になってしまうような商品を投入するしかありません。(歯磨き粉と歯ブラシが1位のメーカーが、小型ヘッド歯ブラシをだしてしまうと歯磨き粉のシェアが下がるので出しにくい、みたいなやつです)

米国でDSPやアドエクスチェンジやオーディエンスターゲティングがなぜ流行るというか急ピッチなのか、といえば、みんなFacebookのリーダー戦略につきあいたく無いからじゃないでしょうか?Facebookはもちろんオーディエンスデータを持っていますが、オフラインデータや様々なサイトに訪問した、というデータは持っていませんし、今のところアドエクスチェンジに参加しよう的な動きも特に聞いていないです。こういう武器で単価を上げて、リーダーと戦っていかないと、フォロワーはきっついですよね。

僕がFacebookの買収担当者であれば、アドエクスチェンジとDSPの会社1社ずつ買収して、アドネットワーク事業者や他のポータルサイトの競争戦略を帳消しにしちゃうな。で、IPOして資金調達したら値上げする。あ、、悪いこと考えるとたちが悪いのは田中のくせですが。

Facebook広告のAPIを、既存の広告会社中心ではなく、あまり知られていないようなベンチャーに率先して開放していることも、いやらしいというか、もはや美しいレベルで(いい意味での)嫌がらせしているとしか思えません。こういうベンチャーには長い物にうまくまかれてもらって、自社をより強化しているんですねー。

一つ言いたいことは、「フォロワーは値下げするな、別の付加価値で勝負せよ」です。

だんだんこのブログも過激になってまいりましたが、1年後はどうなっていることでしょう。なくなっていたら田中も長い物にまかれちゃったんだなぁと思ってください。

それでは残り後半よい連休を。

 

Author : yuzuru