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2019.03.11
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GrowLio開発秘話~メディアの収益化から豊かなインターネット社会を実現する~

本記事では、2018年11月にリリースした「GrowLio」について、開発に至った背景やどのような課題を解決するサービスなのかといったことについて、お話していきます。

サービス内容

「GrowLio」はアプリメディア様向けに、アプリ内で独自の運用型広告プラットフォームを展開するためにシステム提供・営業・オペレーション支援をワンストップで提供するサービスです。「GrowLio」を導入いただければ、アプリメディア様の広告メニューの一つとして運用型広告を取り入れることが可能になります。

サービス展開の背景

メディアを運営されている方にメディア運営における課題をお聞きしていた際に出てきたのがマネタイズの難しさでした。特定領域において認知度やユーザー数共にトップクラスまで成長しているメディアであっても、そこから先のマネタイズで苦労しているという話をお聞きし非常に衝撃を受けました。

短期的には外部ネットワーク広告を入れればある程度の収益を築けますが中長期的な成長をしていくためにはメディアとしてブランドを築きユーザー来訪のリピート率をあげて収益向上を目指すことが必要となりました。SNSを利用した分散型メディアでブランド構築をする動きもありますが、そういったメディアも含めて自分たちでユーザーを増やしマネタイズをしていくためにアプリを立ち上げるという動きが増えています。

しかし、苦労してユーザーを増やしても、そのあとに収益に転換するための選択肢がしっかり用意されていないと、ユーザーにとって有益なコンテンツを生み出すための資金もいずれ枯渇してしまいますし、リスクを負ってアプリ化をしようとするメディアが出づらいという状況に陥ってしまいます。

独自性のあるコンテンツを持つメディア、独自性のあるコミュニティを構築できた事業者などがこういった背景から大きな一歩を踏み出す意思決定ができないということが起きてくると、インターネットメディアの多様性が妨げられてしまうのではないかと考えています。

これからの時代、一人ひとりの限られた可処分時間を豊かなものにするためにはメディアの質が重要だと考えます。​多様化するニーズに対応してメディア側も多数の領域で質の高いメディアが生まれて、質の高い可処分時間の消費がされる社会の実現を目指したい。少しでもそこに貢献できたら。そういった思いで「GrowLio」の立ち上げを決めました。

解決する課題

広告でのマネタイズをしていく上で課題も多く存在します。

1.外部ネットワーク広告における課題①:自社努力による収益向上が難しい

広告でのマネタイズでポピュラーなものとして外部ネットワーク広告を自社アプリに表示させるという方法があります。SDKを導入すればあとは特に営業などをしなくても広告が入ってくるということで導入のハードルが低く、一定量のマネタイズが可能な手法です。

その一方、ネットワークに参加している数あるメディアの中の一つになるという立ち位置であるため、広告主側からはそのメディアに出稿しているという認識を持たれにくいです。広告主はある外部ネットワーク広告事業者に出稿していてそこでのパフォーマンスが良い場合はそのネットワークへの出稿金額や入札額を増やしますが、メディア単体で見るとインパクトはほとんどない状態です。つまり、広告主と直接つながりがない場合、一定の範囲内に収益が収まりやすいということになります

さらに、外部ネットワーク広告に参加していると、その事業者のマージンが抜かれた状態の金額がわかるだけで、パフォーマンスを改善するために必要なデータである広告主の予算や獲得CV数もわかりません。実際にメディアを運営されている方々にヒアリングをさせていただいた際にも、外部ネットワーク広告をマネタイズ施策とした場合は自社の努力による改善策が少なく、またそのインパクトも小さいため頭打ちになりやすいということをよく聞きました。

2.外部ネットワーク広告における課題②:広告によるUXの毀損

外部ネットワーク広告を導入するということは自社アプリのUIを一部その事業者に任せることになります。各外部ネットワーク事業者はそれぞれ独自の審査基準を持って対応していますが、どうしても自社アプリとしての基準にそぐわない広告原稿が出てきてしまうことがあります。

NG業種をブラックリスト指定できる外部ネットワーク広告もありますが、そこで指定していない業種から思わぬ広告クリエイティブが配信されてしまっていたということも実際にあります。もちろんその様なクリエイティブ・広告主は外部ネットワーク広告事業者側に連絡し配信停止の対応になると思いますが、イタチごっこになってしまいます。毎日かなりの量のインプレッションが出ているわけで自社でそのようなクリエイティブを発見したとしても氷山の一角です。

ユーザーからクレームとして連絡が入ることもありますがわざわざ連絡をするユーザーは少なく、UX毀損による離脱というのが目に見えない形で発生している恐れがあります。アプリという形態で事業を展開していく上で重要なことの一つにユーザー体験を向上させリテンションレートを高めるということがありますが、自社の世界観に合わない広告が出てしまうことはその考えに逆行するものです。

3.予約型広告における課題:売上を伸ばすために広告メディアとしてのブランド価値が重要

 広告主から名指しで出稿をもらえる状態を作ることが大事というのは前述の通りです。「●●というメディアに広告出稿したい」という状態になって初めて広告主から正確な評価をしてもらうことができ、自社の努力をメディア価値に転換させることができるようになるからです。

では指名出稿である純広告、タイアップといった予約型広告を利用すれば良いのではないかとなるのですが、それだけではうまく行きづらいというのが現状です。

純広告は広告メディアとしてのブランドとセールスリソースが必要ということで市場全体として売り伸ばすことが難しくなってきております。タイアップはそのメディアの特性を活かして広告主の商品とユーザーの接触時間を上げていくという意味で特にバーティカルメディアなどで有効だと考えます。しかし、営業・制作共に多くの工数を必要とするため一定ラインまでしか販売できず、営業利益ベースで見ると大きなプラスにならないメディアが多いのではないかと思います。また年間契約を取れれば別ですが単発での出稿の場合は翌月の売上を作るために営業を0からしないといけないため、予約型広告単体では売上を積み上げていく構造になかなかなりません。

つまり、純広告や予約型広告を利用する場合は、手売りになりやすく広告メディアとしてのブランドができているアプリしか営業利益を出せないという課題があります。

GrowLioによる課題の解決方法

 そこでGrowLioがたどり着いたのが「指名出稿」と「運用型広告」を同時に成立させる「自社広告配信プラットフォーム」です。運用型広告でありながら広告主側からちゃんと自社アプリを指名して広告出稿の意思決定をしてもらうという環境を作ることで、それぞれの良い面を両取りすることができるのです。

この方法であれば様々なデータを自社で手に入れることができるようになるので改善施策を打つことも可能です。どのような業種の広告主が自社アプリと相性がよいのか、CTRが上がりやすいのはどの面/どのアドフォーマットなのか、こういったことを全て可視化した上で全体のパフォーマンスを少しずつ上げていくことが可能になります。

一方で、上記の解決方法に懸念点がないわけではないです。

一番わかり易い点としては自社広告配信プラットフォームに出稿してくれる広告主への営業が必要という点です。通常メディア側には一定数の営業担当がいるとは思いますが、今までの施策に加えて自社広告配信プラットフォームを始めるということはそれを販売するメンバーが不足することを意味します。また、自社に掲載する運用型広告を販売したことがあるという人も少ないためどう売ればよいのか・・・ということになりかねません。

しかし、GrowLioはFringeが広告代理事業で培ってきた運用型広告の販売、運用の力を総結集し、そのメディアにあった広告主の開拓を行っていきます。また、メディア側の立場となり各代理店様へ拡販の動きをとっていくことも可能です。

他にも、メディア側での広告審査の工数が増えるという懸念点も考えられます。自社アプリの世界観に合う広告のみを掲載するということは基本的には自社で広告審査をするということになります。運用型広告は成果を改善していくためにクリエイティブの入稿が増える傾向にありますが、それにより広告審査も増えてしまいます。

GrowLioではこの審査工数をできる限り削減してメディア側の負担を軽減したいと考えておりました。そこでシステム的に審査にかかる時間を減らす方法を考案し実装しております。これにより一般的なアカウント構成にした際のメディア側での広告審査時間を90%以上削減することに成功しました。

他の懸念としては外部ネットワーク広告事業者が持つデータを利用したターゲティングができない点もあります。その一方、自社アプリで持っているデータをターゲティング配信に活用できる機能がGrowLioにはあります

アプリ内でのターゲティング配信でcookieデータを利用することはITPの拡大により難しくなってきており、ユーザーのIDFAデータと属性情報を紐付けて持っている必要がありますが、外部からの配信の場合自社アプリのユーザーデータを持っている率は必然的に下がってしまいます。しかし、自社アプリを利用しているユーザーの情報は当然自社アプリで取得できるため、ターゲティング配信ができるユーザーシェアを高め、広告効果を引き上げることにつながると考えております。

これらのように自社広告配信プラットフォームである利点を活かすことができ懸念される点を払拭する機能やサービスをGrowLioでは今後も開発していきます。それによりアプリメディア企業の収益化支援を行い、豊かなインターネット社会の実現に少しでも貢献していきたいと思っております。

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